工場や倉庫の効果的な暑さ対策

6月から夏にかけて、工場や倉庫での作業中の熱中症が増加します。
工場や倉庫内で働く方が熱中症にならず、安全に仕事するため注意すべきコトを紹介します。

熱中症は、直射日光の影響を受ける屋外作業で発症するものとイメージしている人が多いため、工場や倉庫など屋内での作業時は熱中症の危険性を低く思っている人も少なくないのです。

しかし、工場や倉庫などは、施設によってエアコンなどの空調が効きにくい場所や、エアコンの使用すらできない環境もあるのです。

こういった環境では、暑さだけでなく湿度も高くなりやすく、長時間その場で作業したときに体内に熱がこもり、屋外よりも熱中症のリスクが高まることもあります。そこで、工場や倉庫の暑さ対策について、建材や設備による対策をご紹介させていただきます。

そもそも、なぜ工場や倉庫が暑いのか

空調によって温度が一定に保たれている工場や倉庫もありますが、空調設備がない工場や倉庫の内部は、夏場は40℃~50℃にまで達するといわれています。

空調設備が設けられていても、夏場に暑い工場や倉庫は主に以下の理由によります。

  • 周囲に建物がなく、直射日光の影響を受けやすい
  • 面積が広いが間仕切りが少なく、天井高も高いため、空調設備の効果が薄い
  • 屋根など建物の断熱性能が低いため、空調の効果が得られにくい
  • 省エネのため、空調の設定温度が高めになっている

工場・倉庫・作業場の暑さを放置しておくと、作業員が熱中症になり作業効率にも影響がでます。

熱中症の症状

熱中症は、高温多湿な環境に、私たちの身体が適応できないことで生じるさまざまな症状の総称です。以下のような症状が出たら、熱中症にかかっている危険性があります。

めまいや顔のほてり
めまいや立ちくらみ、顔がほてるなどの症状が出たら、熱中症のサインです。 一時的に意識が遠のいたり、腹痛などの症状が出る場合もあります。

筋肉痛や筋肉のけいれん
「こむら返り」と呼ばれる、手足の筋肉がつるなどの症状が出る場合があります。 筋肉がピクピクとけいれんしたり、硬くなったりこともあります。

体のだるさや吐き気
体がぐったりし、力が入らない。吐き気やおう吐、頭痛などを伴う場合もあります。

汗のかき方がおかしい
ふいてもふいても汗がでる、もしくはまったく汗をかいていないなど、汗のかきかたに異常がある場合には、熱中症にかかっている危険性があります。

体温が高い、皮膚の異常
体温が高くて皮ふを触るととても熱い、皮ふが赤く乾いているなどの症状も熱中症のサインです。

呼びかけに反応しない、まっすぐ歩けない
声をかけても反応しなかったり、おかしな返答をしたりする。 または、体がガクガクとひきつけを起こす、まっすぐ歩けないなどの異常があるときは、重度の熱中症にかかっています。 すぐ医療機関を受診しましょう。

水分補給ができない
呼びかけに反応しない

など、自分で上手に水分補給ができない場合は大変危険な状態です。この場合は、むりやり水分を口から飲ませることはやめましょう。すぐ医療機関を受診しましょう。

このような症状が出ないよう、日頃から熱中症の予防・対策を行いましょう。

工場や倉庫の建材・設備による暑さ対策

それでは、工場や倉庫での作業において熱中症を防ぐための対策をご紹介します。

スポットクーラーを設置する

スポットクーラーとは簡単に言うと移動可能なエアコンのようなものです
エアコンが取り付けられない環境でも、工事不要で設置して使用でき、すぐに涼しい風を出してくれる「スポットクーラー」です。

業務用スポットクーラー イメージ画像

スポットクーラーは空間全体を涼しくするわけでは無く、風の当たる対象を涼しくする製品ということです。

スポットクーラーのメリット

スポットクーラーは面倒な設置作業がいらない

スポットクーラーの最大のメリットともいえる部分です。スポットクーラーは電源コードを差し込むだけで使えます。ですが、200V電源方式の場合はプラグやコードが付いていないことが多いので確認が必要です。

キャスターが付いているので移動がラク

ほとんどのタイプはキャスターがついているので、重量があっても移動は楽に行えます。冷却したい場所が変わる現場でも安心です。ただし重量自体は50kgほどあるので、段差など持ち上げるときは注意が必要です。

スポットクーラーは工事要らずで価格が安い

業務用のスポットクーラーでも5万円~6万円ほどから入手できます。工事費もかからないのが嬉しいですね。

スポットクーラーなら特定の部分だけ集中して冷却できる

工場などの広い面積全てをエアコンで涼しくすると、機械代も電気代も非常に高額となります。冷やしたい人や物をスポット的に冷却できるので、コストを大幅に削減できます。また、開け放たれた現場など、エアコンを取り付けても効果が薄い現場でも活躍します。

スポットクーラーのデメリット

スポットクーラーは排気の処理が必要

締め切った空間で利用する際、冷風のあたっている箇所は涼しさを感じるが、排気を室内に放出すると室温自体は上昇します。狭い空間で使う場合はオプションの延長排気ダクトを使い、離れた場所で排気させるか対象物だけ冷やせれば良いと割り切り必要があります。

スポットクーラーは排水処理が必要

機械の仕組み上、余分な水分がタンクに溜まっていきます。これが一杯になると排水処理をする必要があります。ちょっとしたひと手間が必要となります。

スポットクーラーは音が大きい

スポットクーラーは室外機も一体となっているので、コンプレッサーの作動音などが響きます。

屋根に遮熱塗装をする

屋根等に塗装するだけで、太陽光に含まれる熱の元、近赤外線を反射し建物の表面温度の上昇を抑える、特殊な塗料です。

建屋表面から室内に伝わる熱が大幅に削減されるので、室温の上昇も抑えられ暑い夏も快適に過ごせます。

遮熱塗装のメリット

遮熱効果がある

遮熱効果を発揮する塗膜です。

太陽光エネルギーを跳ね除ける効果があるので、太陽光を跳ね除けて熱さを塗膜に浸透させない効果を発揮します。夏の熱い太陽光を跳ね除けてくれますので、猛暑のような夏でも太陽光の影響を妨ぐ事が出来ます。

その温度差は、2~3度程度と言われています。

塗膜の寿命が長い

ほとんどの遮熱塗料は15~20年の耐用年数です。費用は割高ですが、普及品の塗料と比べて1.5~2倍に伸ばす事が出来ますので、メンテナンスの手間を考えるととても理想的な塗料です。

黒色の建材の熱上昇を抑える事が出来る

黒っぽいカラーの建材は熱を吸収しやすいので建物の温度上昇が気になりますが、黒のような濃い色合いでも高い遮熱効果を発揮するので、建材の熱上昇を抑える事に繋げる事が出来ます。

遮熱塗装のデメリット

価格が高い

塗料の価格が高く、需要と供給がまだまだ少ない材料ですので、安くはない傾向があります。普及品塗料のシリコン塗料は㎡当たり2,000円程度で、遮熱塗料は㎡当たり4,000~5,000円程かかります。

2倍程の費用がかかってしまい、なかなか採用しにくい塗料と思われています。

塗膜が汚れると遮熱効果が発揮しにくい

遮熱塗料の遮熱効果は、塗膜の表面が綺麗であることで高い遮熱効果を発揮するので、塗膜の表面が汚れていると反射しにくくなり、遮熱効果が低くなってしまいます。
一般的な赤外線を吸収しやすい塗膜となってしまい、意味が無くなってしまいます。

冬場の遮熱効果は建物の温度を低くしてしまう事がある

冬場に遮熱効果で赤外線を反射してしまい、建物が冷えてしまう事があります。
そのため夏が暑い地域には最適な塗料ですが、冬が長く厳しい地域にはあまり適していないでしょう。

窓に遮熱フィルムを貼る

次世代エネルギー基準早わかりガイド -の夏場の数値を採用

窓は外部との接点。日射や外気温の影響を直接受けます。
夏場の空調負荷は、70%以上が(開口部)からの影響を受けるため、窓の対策が省エネ対策として重要です。

遮熱フィルムのメリット

日射熱をカットする遮熱効果で快適

遮熱効果によって、日射熱を効率よくカットすることができます。
実際の建物で行ったテストでは、机表面で15℃低減、体感温度6℃という結果が出ており、室内を快適にしてくれることがわかりますね。(メーカーや種類により違いはあります)
エアコンの負担を減らすことができます。
夏はもちろん、冬は室内の熱を外に逃げないようにする効果もあるので、冷房・暖房の両方を節約可能です。(断熱フィルムの場合のみ両方)

お手入れが必要ない

ブラインド等の場合埃がたまりお掃除が必要ですが、
フィルムの場合は特に埃が溜まることもないので楽です。

災害時などの窓ガラスの飛散防止

台風や地震など災害で窓ガラスが割れても、破片を保持してくれます。わずかしか破片が落ちないため、従業員の安全を守ってくれます。

UVカット効果によって機械や材料等の日焼けを防げる

遮熱や飛散防止だけでなく、UVカット効果もあります。99%以上の紫外線をカットしてくれるので、機械や室内のオフィス用品の日焼けや色あせを防ぐ効果も期待できます。

遮熱フィルムのデメリット

■ 透明度の低いフィルムを貼ると、外の様子・景色が伺えない

透明タイプではないフィルムの場合、室内から景色が見えなくなります。

■ガラスの種類によっては貼れないものもある

網入りガラスに熱吸収が高い遮熱フィルムを貼った場合、熱割れがおこる場合があります。
事前に熱割れ計算を行い、ガラスに遮熱フィルムが貼れるか計算を行います。

まとめ

工場や倉庫内で働く方が熱中症にならず、安全に仕事するため注意すべきコトと
もっとも効果的な暑さ対策をご紹介させていただきました。

以上を参考に、夏に向けて暑さ対策をしていきましょう。